Osaka University of Tourism’s
Web magazine”passport”

「passport(パスポート)」は、観光や外国語、国際ニュースなどをテーマに、
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記事を書いているのは大阪観光大学の現役の教授や学生たち。
大学の情報はもちろん、観光業界や外国語に興味のある方にも楽しんでいただける記事を定期的に公開していきます。
キュー?ガーデンのウォーク?ウェイ
昨年9月ロンドンに行く機会があり、帰国の飛行機が夕方発なので、午前中に郊外のキュー?ガーデンに出かけた。
?世界遺産に登録されているキュー?ガーデンは、18世紀に中ごろに始まった世界で最も有名な植物園で、是非一度いってみたいと思っていた。
世界への大英帝国の発展とともに各地の植物資源の収集が行われ、その拠点として植物園が設立され、とくにキュー?ガーデンはその中心として整備されてきた。
?ダーウィンの友人で、ヒマラヤなどで植物採集を行い、日本でもその著書『ヒマラヤ紀行』の翻訳(薬師義美 訳)があるジョゼフ?フーカー(1817-1911年)の父親、ウィリアム?フーカー(1785-1865年)が園長となって整備し、息子のジョゼフも園長となったという。
こうした帝国型の植物園は現在の日本にほとんどないと考えられている。しかし台北の植物園をみてから、日本もかつて類似のものをもっていたことを知った。
?日清戦争後に台湾を統治するようになった台湾総督府は、植民地経営のために植物資源を集める施設を作り、それを植物園として整備して戦後となり、現在は市民の憩いの場となっている。小さいながらも、熱帯?亜熱帯をカバーするその初期の目的が感じられる。他方、いままで行った海外でチャンスがあったのに、類似の植物園を見学し損ねたことにも気づく。




